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「インスタ映え」ではなく「コスメ中毒」?!コスメへの愛は誰にも負けないインスタグラファー @nicintokyo

自身のSNSで華やかで洗練された写真とともに、日々コスメ情報を発信されているnicintokyoさん。

美しいInstagramの裏側にはどんな方がいるのだろう…?そう思って取材を申し込んだところ、快くOKをいただいた。自分自身のことを「コスメ中毒」と表現するほどのコスメ好きで、写真に関しては人の真似をしないことがモットー。

そんな彼女のこだわりに迫る。

待ち合わせは都内のカフェ。席に着くとまさにInstagramでのイメージ通りな美人で華やかなお姉さんが現れた。普段はどういう風に過ごされているのだろうか。

nicintokyoさん
今は、週3日でOL、週4日でコスメブロガーという形でお仕事をしています。

1人で働いているとどうしても怠けてしまうので、同僚から刺激をもらえるオフィスでのお仕事と、大好きなコスメのお仕事が、バランス良くできている今の生活が自分には合っていると思います。週末もブログを書いたり写真を撮ったりしているので、あまり休みという休みはありませんが、コスメが本当に大好きなので楽しいですね。

忙しそうな生活が想像できながらも、活き活きと話してくださるその姿からは日々の充実感が伺える。nicintokyoさんの原動力は「コスメが大好き」その1点に尽きるのだそう。

nicintokyoさん
 昔から海外雑誌やファッションの写真集がすごく好きで、高校生くらいのときは「ドラマも映画も雑誌も海外のものしか見ない!」という生活を送ってましたね。
ジョン・ガリアーノというデザイナーさんのファンで、パット・マクグラスというメイクアップアーティストさんと彼が一緒にディオールを担当していたときがあって。その世界観が本当に大好きで、もともとはメイクアップアーティストになりたかったんですよね。

自分が綺麗になりたいというよりは、コスメの香りやテクスチャー、コンセプトや新商品の切り口など、コスメそのものが大好きで、2010年くらいから趣味でコスメブログを始めました。

コスメのことを話し出すと止まらない。今までにどれくらいコスメを買ったか尋ねると…。

nicintokyoさん
えー、どれくらいだろう(笑)。本当に家にありすぎて覚えていないのですが、大きな引き出し3個分は軽くありますね。
この間ニューヨークに行ってセフォラ(日本未上陸のコスメ専門店)に寄ったときは、時間がなくて10分しかいられなかったのですが、10分で3万円分も買ってしまいました。コスメだけで。

 

10分で3万円…!このようにコスメ好きが高じてコスメブログを始めたnicintokyoさんだが、今のInstagramの形にはどうやってたどり着いたのだろうか。

nicintokyoさん
元々はアロマセラピーの勉強をしていて、独学だと怠けてしまうのでノートにメモをする感覚で、2010年にコスメブログを始めました。そのときはテーブルに置いたものをガラケーで写真に収めるような形でしたね。そのときの写真はあまりお見せしたくないので、Instagram上では消しちゃったくらい(笑)。

ブログを数年続けるうちに、海外のブログを見るようになって。日本のブロガーさんって実用的な写真が比較的多いのですが、海外のブロガーさんはコスメの世界観を写真で表現することに力を入れていて、それが私にとっては新鮮でした。
海外のコスメブログに感化されて、イメージ重視の写真を撮り始めたのと同時期にInstagramが流行り始めて、ブログとリンクさせようと思い、始めたのがきっかけです。

「独学だと怠けてしまうから」とはなんとストイック…。かっこいい。
そのブログは今でも続けているそうで、8年間も続けてこられているコツを聞いてみた。

nicintokyoさん
 とにかく飽きないんですよね。コスメが発売されている限りは、私はブログを続けていると思います。

それに、すごく好きなものって人に言いたくなりませんか?「超いい映画を見た!」とか「このお店いいよ」って言いたくなるのと一緒で、いいコスメを見ると誰かに言いたくなるんですよね。けれど、私の周りにはコスメ好きの友人があまりいなくて…。だから、SNSを通じて同じコスメ好きの人たちと「あれいいよね、これいいよね」と話せるのが嬉しいし、楽しいんです。

私は主に海外から情報を仕入れているので、海外の新作情報や商品レビューをいち早く日本に伝えられる。海外の製品をネットで買うときって、ちょっと緊張する、という方も多いので。そんなときに、私のレビューが少しでも役に立てばいいなと思っています。

確かに、nicintokyoさんの投稿はただ綺麗なだけではなくて、思わずその商品が欲しくなるようなものが多い。写真を撮るときに工夫している点とは。

nicintokyoさん
ただ小物を綺麗に配置するのではなく、商品の良さが一番伝わるような写真を意識しています。

例えば、クリーム1つとっても、プルプルしているのかサラサラしているのか、それで商品の特徴って全然違うじゃないですか。プルプルしているものだったら、ツヤ感がでるように光を当てたり、わざと指で押している写真にしてみたり。
商品の色味が変わらないようにすることは絶対に意識して、あとは実際に商品を見たことがない方たちが、手に取ったかのように伝わる写真というのをすごく大事にしています。

 

たしかに、上記の写真から伝わってくるプルプル感、すごい。実際にコスメを使い込んでいるnicintokyoさんだからこそ撮れる写真である。「インスタ映えが重要!」と騒がれる世の中であるが、nicintokyoさんも「インスタ映え」は意識するのだろうか。

nicintokyoさん
うーん、意識したことはないですね(笑)。

例えばインスタグラムの写真がすごくかっこいい方がいたとして、その方と同じような写真を撮りたいと思って、同じ小物を揃えて同じ置き方をして。そういう風にしても結局その方のコピーでしかなくて、自分の感性ではないじゃないですか。コピーを作っても結局その方のレベルで止まってしまうので、自分の可能性をどこまで伸ばせるかと考えたときに、自分の感性でしか勝負しないという風に決めています。

その分こだわりが強いので、写真を撮るときは平気で1,500枚とか撮ってしまいますね。

1,500枚…?!本当かと聞いてみると、「はい、メイクを試す顔が足りないくらいです(笑)」とお茶目に笑っていた。人の真似をしなかったからこそ、身についたnicintokyoさんらしさ。彼女はこう付け加えた。

nicintokyoさん
正直、私は写真が得意というわけではないと思うんです。。。旅行に行ってもそんなに写真は撮らないし、誰かの写真を撮ってあげることが好きなわけでもないし。

ただ、コスメの写真を撮ることが好きなんです。大好きなコスメをどうやったら綺麗に見せられるか、そのコスメの味を最大限に引き出せるか、見た人が使ってみたいと思う雰囲気を作れるか。それだけを考えて撮影しています。

 

溢れ出るコスメ愛とブレないこだわり。彼女の芯の強さを垣間見た瞬間だった。
ここからはコスメのお話。週に数枚はインスタグラムに写真をアップすることを心がけているとのことだったが、最新の情報はどのように取り入れているのだろうか。

nicintokyoさん
正直、日本で発売されているコスメの新情報はそんなに詳しくなくて、基本的には海外のメディアやSNSで仕入れていることが多いですね。Vogue UKのTwitterとか、イギリスのメイクアップYouTuberとか。特にYouTuberは週に何本も動画をアップしてくれるので、情報がオンタイムで届いてありがたいですね。そこから気になったものを、セフォラやルックファンタスティックのサイトで購入しています。

 

「海外のコスメ中心」というのには何かこだわりがあるのだろうか。

nicintokyoさん
私、コスメ・英語・洋雑誌、この3つは本当に中毒並みに好きで(笑)。
せっかく英語が話せるので、日本にいると手に入りにくい情報をわかりやすく伝えたくて、海外のコスメ中心に発信しています。それをしばらく続けていたら、海外のコスメメーカーさんからサンプルが届くようになったのも大きいですね。

加えて、海外で人気のものでも、日本人の感覚に合うのかな?と思うコスメってあるじゃないですか。それを日本人である私が使ってレビューをシェアすることで、「あ、案外日本人でも似合うから、私もちょっと使ってみようかな。」って思ってもらえることが嬉しくて。見てくれた人のお気に入りのコスメを増やせたらいいなと思う気持ちもありますね。

やはりブレない「自分らしさ」。
そんな彼女からこだわりの撮影方法を聞いてみたので、写真が好きな方はぜひ参考にしてほしい。

nicintokyoさん
私はスタジオで撮っているわけでもなく普通にいつも家で撮影しているので、ベニヤ板に壁紙を貼って、それを敷いたり立てかけたりして撮影をしています。70〜80cmくらいのサイズですかね。

壁紙は海外に行ったときに買うことが多くて。お気に入りは、Wilkoというイギリスのホームセンター。普通のホームセンターではあるのですが、中には可愛いものもあるので重宝しています。
他の小物は、B-Company、ZARA HOME、H&M Homeの通販で買うことが多いですね。

コスメの世界観を重視したいので、生活感がでないように工夫しています!

 

キラキラとした表情でインタビューに答えてくれたnicintokyoさん。

見た目も美しいお姉さんなのだが、好きなものをとことん突き詰める芯の強さ、ブレない自分らしさは、フォトグラファーではなく1人の女性として「かっこいい」と素直に感じる時間だった。

「コスメの撮影なら何でもやってみたい!今までに作ったことがないような雰囲気にも積極的にチャレンジしていきたい。」そんな彼女にお仕事をお願いしたい企業さんからのお問い合わせは、こちらから。

■人生が変わった1枚

1つのパレットに複数の色が入っているアイシャドウで、日本人が日常メイクに取り入れるとなると、なかなか使い方のイメージがつかない商品。
おすすめの使い方を投稿したところ、SNSやブログで反響が多く、「参考にしてくださった方が多くいたのが嬉しかった!」と話してくれた1枚。

■撮影機材

・パナソニック LUMIX GM5
・Photoshop

■得意なジャンル

・コスメ
・雑貨

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